この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
亡くなった方に多額の遺産があるはずであるのに、公正証書遺言で全ての遺産を自分が相続したと主張して、亡くなった方と同居していた相続人が亡くなった方の遺産をまったく開示せず、遺産の全容が分からない。預金通帳等を見せるように言ったがまったく取り合ってもらえない。このような状況にあった方々からのご依頼を受け、遺産の全容を把握し、相続分の請求を行うことになりました。
解決への流れ
まずは相手方に法律上の義務として財産目録の作成、開示義務があることを指摘し、遺産の全容を開示させました。もっとも、開示された遺産が本当に全てなのか不安を持たれていたので相談者の方の心当たりのある金融機関に名寄せ(全店舗の照会)をかけて預金口座を把握し、また賃貸しされている不動産について一定の評価を行ってこちら側の考える遺産評価を行い、こちらの請求額を確定して相手方に通知を送付したところ、任意の交渉で解決することができました。
相続人の一部が遺産を手元に掌握して、全容を開示しないことがあります。その場合、金融機関等に相続人の立場で資料の開示を求めることから始まります。財産調査に関してはご自身でも不可能ではありませんが、複数の金融機関にまたがる調査には時間もかかる上、取得した残高証明や取引履歴を詳細に検討する必要があります。このケースではそのような問題はありませんでしたが、取引履歴を検討した結果、生前に引き出された財産を取り戻す請求を併行して行う必要があるケースもあります(他の相続人から財産を取り戻したケースを参照)。相続のケースの多くは調停や、場合によっては訴訟手続を通じて解決を図る必要がありますが、どの手続が適当かは事件の内容の他、相手との対立状況に応じた選択が必要になります。このケースは初期の段階でのご相談であったこともあり、任意の交渉での解決につながったと考えられます。